アニメ『ガッチャマンクラウズインサイト』の最終回みての感想(編集中)

「GATCHAMAN CROWDS insight」Vol.1 Blu-ray

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終わってしまった。今季はガッチャマンクラウズにニンジャスレイヤーのアニメもあって、毎週楽しみな作品がある楽しい3ヶ月でした。生活に張りがあって良かった……。来期はどうだろうか

ガッチャマンクラウズ1期は感想も多く上がってて、それに比べると2期インサイトはあんまり感想なくて悲しかった(自分で書けよという話である)

2期だし敷居が高いのもあるだろうけど、色々理由もあるよなとファンとしてネタバレ全開で語ってみたい

■ストーリーとテーマについて
本当はデザインのこととか語ってみたいんだが、門外漢なのでテキストについてのみ。

……ぶっちゃけストーリーつまんなかったよね?というのが正直な感想になる。
テーマに沿って話をこなした感じで、意外性がなかった。
「空気に流されてはいけない」→アッハイ
「流されないためにはよく考えることが大事」→アッハイ
その通りすぎて何もいえねえ……と。

1期が人間の限界をテクノロジーで解決するみたいな部分もあったので、2期も空気の問題をテクノロジー云々で解決策示すとかちょっと期待したところもあり肩すかしだった
(まえに流行った『なめ敵』みたいな発想で。読んでないけど)

しかもそのテーマを登場人物がぺらぺら喋るから興醒めだよ!とちょっと投げ出しそうになった
(でもTwitterなんかだときれいにまとまったという評価もみる。無駄に物語に触れすぎたおっさんには刺激が足りなくとも、若者にはちょうどよかったのかもしれない……とその時は思った)


■最終2話で視聴者にケンカ売ってきた

そんな感じで、正直あんまり乗れないなと。それでもはじめちゃんやルイルイはかわいいし、丈さんや清音パイセンが喋るだけで笑えるのでキャラクター重視な鑑賞姿勢だった。

期待はしつつも、このまま予定調和で終わるかと見せかけて11話と最終回12話で、個人的にえっ、となる展開があった。マイナスな意味で。

あえて抽象的に要約すると

・世間の憎悪が特定人物へ集中し、排斥の空気が高まる
・主人公が能力でその特定人物に変身し、あえて仲間に自分を攻撃させる
・その様子を世間に公開し、空気を変える

こんな元気なはじめちゃん(主人公)が
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こんな姿に
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それは悪手じゃね?という展開で、これをどうするかということで色々考えることがあった。どう悪手かというと、具体的には以下のブログからの引用部分参照
はじめによる、(「サル」たちを目覚めさせるための)英雄的な自己犠牲というような形で物語を納めるのだとしたら、一期からずっと積み上げてきたこの作品の「思考」を台無しにすることになってしまいかねない。確かに、はじめは、一期の当初から並外れた賢者であり超人であった。しかしそのような超人もまた、多の中の一人でしかないというのが、この物語の画期的なところなのではなかっただろうか。
仮にはじめちゃんがただ空気を変えるためだけの目的で、『正しい答え』を指し示すとかでもなく一旦立ち止まって考える時間を与えたいだけであっても、やはり大衆を目覚めさせる、正しい方向に導けるのは一握りの超人しかいないのかもしれない、と受け取り手に思わせるようなラストでは、この作品が積み上げたもの、個人ではなくみんながヒーローにならなくては、といった「思考」を台無しにするのではないか?


そんな不安と予想を裏切るのでもなく、ラストの感想は見事に混在していると私には思えた!
やっぱりヒーローには自己犠牲の精神が必要だと述べる者、結局一ノ瀬はじめという特殊な個人頼みかと嘆く者、これは自己犠牲などではなくあくまで一ノ瀬はじめという個人の選択にすぎないと考える者。
ぜひ感想を漁ってみるといいと思う。

※後者の例


これは実際恐ろしいことをやったな、というのが自分のインサイトへの評価になる。

さんざん自分で考えろ、といったテーマを誤解されないよう伝えてきた上で、宿題の如く最終2話を突きつけてきた!

あなたはこの結末をどう捉えるのか?

・煽動家は空気を読んで嘘泣きする

・はじめちゃんを神格化する群衆もいる

・その群衆を批判するガッチャマン、しかしそれも自分の好む方向に誘導しているだけでは?

・混乱の原因たるクラウズやくうさまは変わらず存在し続ける

・昏睡から目覚めたはじめちゃんは変わったようで変わらないつばさちゃんにつっこむ

 (相変わらずッスね)

受け取り手を信頼しているといえるかもしれないが、視聴者を試すような舐めくさったマネともいえる。
自分のような前期からのファンには作り手への信頼と物語構造への予想へのひっかけをくらわせつつ、前期を知らない受け取り手にはこの作品が求めるところを端的に実感させた試みだったのでは?
(成功したかはわからん。こんなこと言ってるのは自分だけだし。ただ自分はインサイトをトップクラスに楽しんだ自信があるw)

作り手にうまく踊らされていたとしても、自分は最終2話の展開でこの作品についてきて良かったと思わされた。円盤も買っちゃう!3期もしくは監督の新しい作品にまた期待したい


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ガッチャ!

インサイトのラストは一ノ瀬はじめの自己犠牲なのか?

またはヒーローとはなにかについて