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ゆうちゃん事件と人生格差犯罪と笑い男事件 自己実現としての犯罪

犯罪 社会 アニメ

ゆうちゃん事件ことパソコン遠隔操作事件 - Wikipedia、自分は特に興味はなく、ゆうちゃんこと片山祐輔被告の自白にびっくりしたのだが、finalventさんの記事(パソコン遠隔操作事件、雑感: 極東ブログ)を読みつつ思ったことをメモしておく。


finalventさんが繰り返し言う『シナリオ性』ってやつをこの事件には確かに感じる。
それは陰謀論って意味ではなく、なんというかフィクションのストーリーをキャラクターとして演じているような違和感、があるという意味だ。

犯罪というやつは恨みやら金目当てやらついカッとなったとか、内発的な動機で自分の利益になるようなことをするもんだと思うと、この事件はよく意味がわからない。愉快犯ってやつかもしれないし、これからまた検証されていくのだろうが。

これは人生格差犯罪こと
黒子のバスケ脅迫事件 - Wikipediaのときも感じた。
あの事件も別に作者に個人的な恨みはなく、“持てる人間への持たざる人間からの理不尽な復讐”というストーリーをロールプレイしていくうちに

人生で初めて燃えるほどに頑張れたのが一連の事件だったのです。
「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述全文公開1(篠田博之) - 個人 - Yahoo!ニュース

といった境地に至ったみたいだが、ゆうちゃん事件も同様なのではないかと想像する。

愉快犯としてやっていくうちに、警察・検察を手玉にとり、彼らが冤罪を生み出していく様をみながら権力と戦うアンチヒーローというキャラクターに陶酔していったんじゃないだろうか。

この辺踏まえて、以前にも似たようなことを考えたことがあるなーと思い出したのが攻殻SACだった。

(もう12年前か……おっさんにもなるわ……)


自己実現としての犯罪、『きっと何者にもなれない』人間に残された最後の希望

攻殻SACのタイトルにもなってるSAC=スタンドアローン・コンプレックスという言葉の意味するところは、観たことのある人ならそれぞれ一家言あるだろうし、知らなきゃ適当にググってみればいいんだけど、簡単に『個人が無意識に集団の意向を反映した行動をする』というようなことだと仮定する。

それが高度情報化社会で多発するのではないか?みたいなことも作品テーマの一つだったと思う。まさにその実例がゆうちゃんや黒子のバスケ脅迫事件の犯人による犯罪なのではないだろうか。黒子のバスケ脅迫事件だったら「どんなに地位や権力があろうとも、ひとりの狂人によりどん底まで叩き落とされる可能性がある」、ゆうちゃん事件だったら「謎のスーパーハッカーが権力を手玉にとる」「権力による悲痛な冤罪被害者」といった大衆(のみならず権力自体も)が心の中に描いたストーリーをうまく演じようとした現れであり、このような犯罪はまだまだこれから増加していくんではないかと妄想したりもする。

フィクションを現実と混同しているように聞こえるかもしれない。スタンドアローン・コンプレックスが問題となる攻殻機動隊の世界は、脳とインターネットを直結している
電脳化 - Wikipedia
という設定で、情報の共有と引用が即座に可能となっている。だから個人が集団の意向を自分の意志と混同する、ということに説得力があるけど、現実はそんなことにはなっていない、と。

しかし、Twitterなんかは自分のつぶやきより、リツイート(引用)のほうが多い人がほとんどだと思う。自分で言葉をつむぐより、共感出来る言葉を引用していくほうが楽なのは、特にオタクだったらアニメやマンガの名ゼリフを引用するのが大好きだから理解してもらえると思う。(それでよく蔑まれるので、いかんと思ってブログ書いてみたりしているわけだが……閑話休題)
そんな行為を繰り返すうちに、自分が考えているようで実は誰かの考えを模倣しているだけにすぎないなんて可能性は(あなたも、あなた以外も)十分あるのでは?(特にネトウヨとか……ゲフンゲフン)

じゃあ、個人が集団から離れて、自己を確立できればそんな犯罪は起こらなくなるのかというと、いまの社会では難しいんではないかと思う。『何者にもなれる自由』がある世界で『何者にもなれなかった自分』は入れ替え可能なピースでしかない。

仕事で自己実現する?起業に成功する人間やエリートサラリーマンはほんの一握り。そもそもサラリーマンの時点で入れ替え可能な歯車でしかない。

趣味で自己実現する?頑張れば世界一、日本一になれる?そんな訳はない。

家族を持って自己実現する?ブラック企業勤務でそんな余裕はないかもしれない。非モテだったら?ニートだったら?

創作行為で自己実現する?オリジナルな創作なんてなく、コピーするしかないとわかっているのに?


そうなってくると、大衆が無意識に望んでいること、だが犯罪だから簡単には実行できないことを「空気を読んで」踏み越えることで注目を集め自己実現するってのは、効率的に思える。
アンディ=ウォーホルは『将来は誰でも15分間だけ有名人になれるだろう』といったらしいが
ミスター・ポップアート!『アンディ・ウォ—ホル展 永遠の15分』 - (チェコ好き)の日記
まさに慧眼なんだろうな
以上!

■まとめ
士郎正宗先生は、紅殻のパンドラもいいけど、マンガを書いてほしい。特にアップルシードの続きを……頼むよ……