ガッチャマンクラウズのどこが面白いか +オチ予想つき

別にガッチャマンクラウズブログにする気はないのだが、今一番心惹かれてるのがこのアニメなので仕方ない。本日10話放送ということで、最終回に向けてさらに盛り上がっていくだろうから、自分の中の整理も兼ねて、どういう視点でこの作品を楽しんでるかを明文化しておこうと思う。

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ガッチャマンクラウズとはどういう物語か?

SNSという世界を変革出来うるテクノロジーがあるのにも関わらず、匿名の悪意(ベルク・カッツェが象徴)によりその力を活かしきれてない現実で、どのようにそれに対処するべきか?』

9話終了時点での自分の理解は上記です。んで、なんでそう考えたのか、なんでそれが面白いかとつらつら述べたい。

ガッチャマンクラウズのどこが面白いのか?

西暦2013年の最前線。『ガッチャマンクラウズ』がテン年代のコンテクストを刷新する。(6885文字):海燕の『ゆるオタひきこもり生活研究室』: ゆるオタ残念教養講座(海燕(かいえん)) - ニコニコチャンネル:エンタメ

上記記事にツッコミたいところは多々あるんだけど、大筋は同じ方向で楽しみにしてる。『新しい』かどうかはあらゆる創作を見てるわけではないからわからないけど、自分含む現代の創作好きが抱いていそうな問題意識を共有していて、それに対する解答を模索している気がするってのは共感できる。

みんなが抱いていそうな問題意識って?

『ヒーローなんて現実にいないのに、ヒーローを描いてなんになるの?』ってとこではないかなと。
エヴァが一番露悪的に(アニメなんか見てねーで現実見ろと)示してしまったと思ってるけど、その問いに対してヒーローが示すような自己犠牲は大事だよね、というかたちで解答したコードギアスやまどマギは、曲がりなりにもポジティブな答えを出してくれたのは賞賛すべきだろうと思ってる。

テクノロジーで人間は進化する?

そこでガッチャマンクラウズに戻るが、現存するテクノロジーであるところのSNSを用いることで、ヒーローなしでより良い世界が作れるのでは?と作品を通じてシミュレーションしているのがガッチャマンクラウズだと考えている。そう思うとこの作品がどのような結末を迎えるのか、固唾を飲んで見守りたくなる気持ちがわかってもらえるのではないかなと。

本当にそんなに都合よくいくか?

ガッチャマンクラウズで取り上げられてるSNSを使ったシステムはGALAXと呼ばれている。以下の記事でそれがどのようなシステムかわかりやすくまとめてあるので引用させていただきます。

 世界のアップデートと称し、世界を底辺から少しずつ良くしていくことを目指して、GALAXというSNSを立ち上げます。

 そこで累がやろうとしたのは民衆を管理下において、ある問題が生じても、可能な範囲においては民衆自身に解決してもらう、ということ。SNSを利用し、周囲で起きたトラブルを解決すると、ソーシャルゲーム内でポイントを得ることができるシステム。これは個人が自分の出来る範囲で他者のトラブルを解決しようとするモチベーションアップに非常に役に立ちました。
「デス・ノート」を物差しに語る「ガッチャマンクラウズ」の面白さ。 - kande-takumaの別所

上記のような感じで、相互扶助を強烈にサポートするシステムだが、ちょっと考えただけでも
・個人情報ダダ漏れやん
・手助けしなかったら他のユーザーにボコボコに叩かれるんでは?
・手助けしなくて人死んだりしたら罪悪感ありすぎて退会するやろ
とか色々ツッコミどころは満載なんだけど、その辺から逃げずに、とりあえず我々もよくご存知の匿名の悪意をフィーチャーして、仮想敵としてのベルク・カッツェというキャラクターとガッチャマンたちの戦いを通じて答えを出そうとしている。
参考にしてはてなもアップデート出来ればいいですね。

そんな内容で、ガッチャマンというヒーローが活躍したら矛盾してない?

これがまたすごいところで、ガッチャマン全然戦わない。振り返っても、敵視してた宇宙人とはすぐ和解するし、対立しそうだったGALAXの制作者とも話し合いだけで最新話では協調するし、ベルク・カッツェにはボコボコにされるだけでそもそも正面切って相手してくれないのでニコ動で一般市民に危険を通知するだけの始末(この辺がカタルシス不足で不満が溜まるところなのかも)
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こちらのツイートが端的に最新話を表していると思う。

でもそれがヒーローなんて闘う相手がはっきりしてなきゃ無力だという攻殻SAC2期のテーマをそのまま体現している。この八方塞がりな状況をどう打破するのか……夜が待ち遠しいね!

オチはどうなるのか

そもそもガッチャマンが主人公なわけで、別にガッチャマンクラウズ自身はヒーローを否定してはいない。むしろ古典的なヒーロー像を好意的に捉えてるんではないかと思ってる。
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(やることなくなってとりあえず幼稚園児と触れ合うガッチャマン)

社会の問題をヒーローが解決してくれるのも荒唐無稽なら、テクノロジーが解決してくれるのも荒唐無稽だろう。
はじめちゃんならこういうのではないかと思ってる。
ガッチャマンガッチャマン、GALAXはGALAX、どっちも協力して頑張れば、ちょっとずつ世界はよくなるんじゃないっすか?」

ヒーローに憧れるのも人間なら、それを否定しない結末を見せてくれるのではと期待している。

オチ予想

となるとベルク・カッツェの取り扱いだが、これも曖昧な結末になるのではないかと思ってる。人間の悪意を表象している以上、その否定は人間を否定することにつながってしまうと思うからだ。ベルク・カッツェとは、人の悪意に対するようにそれをいかにコントロールするかということになるだろう。ベルク・カッツェと共存するのか、友達になるのか……歯切れは悪いことになると予想する。
長々書いたが、以上を踏まえて適当にラストを予想してみた。

予想その1 ギアス風オチ

カッツェから『「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感』を得るために『今まで人間が行ってきた罪の中でも最も極悪で非道のものが何万時間という量で記憶されたビデオ』を見せられたはじめちゃんは「(人類を)殺るっす」と悪堕ち。
カッツェと融合し非道の限りを尽くすはじめ(悪)を残されたガッチャマンとクラウズが協力して倒す。清音の刃を受けて倒れるはじめ(悪)「先輩……優しい世界をつくってほしいっす……」
清音「はじめ……まさか」
はじめちゃんは実体を持たないカッツェを倒すために自らの『万物をデザインする』能力であえて融合したのだ。
はじめちゃんという悪のシンボルを倒すことで一見まとまった世界。
清音「これで良かったのか……しかしはじめが守った世界を守り続けよう」
ガッチャマンクラウズ完ー

予想その2 まどマギ&攻殻風オチ

ODのすごい能力で地球ごとカッツェを倒すことにしたガッチャマン。しかしこれでは地球も犠牲になってしまう。ここではじめちゃんは自らの『万物をデザインする』能力で、他のガッチャマンやMESS、GALAXの能力と融合し全人類に危機を知らせ、地球のコピーを作り全人類を移動させる。しかしそれによりはじめちゃんは人間としての姿を失い、情報生命体として人類を見守り続ける存在になったのだった……。
アルティメットはじめ『ネットは広大っす』
ガッチャマンクラウズ完ー

冗談はここまでとして、自分の本命はこんなオチがいいのではと思う。

予想その3

MESS、GALAXの力を借りてカッツェを倒すも悪意そのものであるカッツェは消えなかった。しかしガッチャマンとGALAXはカッツェを追い続ける。小さな悪意が大きくならないようにするために。
とある国でまた悪意を広めようとするカッツェ。
そこに現れたのは宇宙人犯罪を取り締まる警察官となったはじめちゃんだった。
はじめちゃん「おのれ~カッツェ!そこまでっす!」
カッツェ「げぇ~はじめちゃ~ん。いつもいいところを邪魔して~」
はじめちゃん「待てぇ~カッツェ!逮捕っすー!」
いつまでも続く追いかけっこ。しかしはじめちゃんとカッツェはお互いにどこか楽しそうだった……。
ガッチャマンクラウズ完ー

……ルパン三世だこれ!

ちゃんちゃん